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1月定例会を行いました。

更新日:2月21日




1月20日土曜日に第11回目の定例会が開催されました。

先月は不在だった理事長も復活し、全員参加で行われました。


今回のテーマは、【願勝寺】です。







みなさん、願勝寺はご存知ですか?

能代市萩の台にある真宗のお寺です。

願勝寺の宗派は親鸞を宗祖とする真宗大谷派で大本山は東本願寺(京都)です。



東本願寺
東本願寺(京都)


本願寺の歴史は古く、戦国時代の1505年(永正2年)に坂東(関東)下妻(茨城県下妻市)の

住人「空賢」(くうけん)が能代に草庵を構えたのが始まり。

その後1563年(永禄6年)に第2世※「圓喜」が本山の許しを得て願勝寺となったそうです。本願寺の東西分裂にも遭遇し寺を東本願寺(真宗大谷派)に導きました。


お寺の本尊は【阿弥陀如来像】で、別称「こもかぶりの如来」と言われており、

不思議な逸話があります。

第4世「圓空」(えんくう)は、寺にふさわしい仏像を求めるために、

圓勝寺(脇寺※で現在は廃寺)の住職と京都に出かけました。

足が棒になるほど京都の仏具屋を歩き回りましたが、お目当ての仏像は

見つけられませんでした。

能代に帰る前日の夜、二人は「三条小橋に行ってみなさい」という奇妙な夢を

見たそうです。

二人は翌朝、同じ夢をみたことに驚き、夢で告げられた場所に早速出かけました。

その場所は夢で見たのとそっくりでした。 驚く二人の向こうから、こもむしろに包んだ荷物を大事そうに抱えながら若者が

やってきました。

圓空は若者を呼び止めて包みの中を見せてもらいました。

すると、中から立派な阿弥陀如来像が現れました。

その像を気に入った圓空は、譲ってもらおうと振り返ると、不思議なことに

その若者の姿は消えていました。

『夢で見せてくれた授かりもの』と圓空は寺に持ち帰り、本尊としてまつった。

この話を聞いた門信徒は、いつのころからか「こもかぶりの如来」と呼ぶように

なったそうです。



※第2世…2代目と同義

※脇寺…本寺に付属する寺


 

願勝寺は、今まで二度火事に遭っています。

最初は明治33年。

次は昭和24年の第一次能代大火の類焼。

その時に、長根町、現在の能代市民体育館付近にあった願勝寺を萩の台へ移転する計画が

持ち上がり、昭和28年に移転、昭和44年に現本堂などが完成したそうです。

その後、昭和58年5月26日の日本海中部地震で庫裏※が全壊と災難に見舞われます。

平成2年に復旧し、平成13年3月には、昭和24年の第一次能代大火時に焼失した山門を

52年ぶりに復興、盛大な竣工式を行ったそうです。



※庫裏…寺院の台所や僧侶が居住する場所


 

願勝寺には、戦前は鐘楼がありました。

それは大町の豪商「初代越前谷久右衛門」の妻が仏恩に感謝して慶安元年(1648年)

に梵鐘、鐘楼堂ともに寄進したものでした。

この鐘にも逸話があります。


嘉永6、7年(1853、1854年)、幕末の黒船来航に伴う異国船警備の大砲製造で

供出されましたが、難を逃れて一時返却され、明治維新後は能代港町の所有となり

当時長根町にあった願勝寺に戻されました。

それ以来、寺近くの伊勢屋が鐘撞きを専従で奉仕してくれました。

時計が普及していない時代でしたので住民に時を告げる鐘として重宝され、

願勝寺は『鐘撞きの寺』として親しまれました。

ですがその鐘も、太平洋戦争の真っ只中、昭和17年(1942年)に金属回収で供出されて

しまいました。

その折、婦人会などから「鐘をもっていかないでほしい」との嘆願運動が起きたそうです。

願勝寺の鐘は、住民生活に無くてはならない存在だったことがこのお話しからも伺えます。



 

願勝寺には本尊の阿弥陀如来像の他にも寺宝があります。

南北朝から室町時代にかけての画僧「兆殿司」(ちょうでんす)の俗称をもつ明兆の作と

される【達磨大師絵像】


浄土門仏教の伝来と普及に努めた聖徳太子、蘇我馬子、小野妹子、法然や親鸞などを

描いた光明本


紺紙金泥※の六字名号※などがそうです。



※紺紙金泥… 紺色の紙に金泥(金粉にかわの液で溶かしたもの)で経文などを書いたもの

※六字名号…「南無阿弥陀仏」の六文字のこと。   

       浄土宗、浄土真宗で本尊のかわりにおまつりします。

       また法事のときには「南無阿弥陀仏」の名号の掛け軸を

       掛ける場合があります。



 


願勝寺は、ボーイスカウトや、宗祖親鸞について学習するサークル〈親親会〉という

活動もしています。

近年、「歎異抄」がブームなのだそう。

興味のある方はサークルに参加してみてはどうでしょうか?




今月もいい勉強になりました!

次回の定例会は2月17日を予定しております。



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